図鑑JOB ATLAS

サステナビリティ・環境の職種図鑑 — まず地図で、自分の座席を見つける

サステナは一枚岩の仕事ではない。「はかる・つくる・うごかす」の持ち場と、脱炭素・開示・循環経済という領域で整理すると、自分の入口が見えてくる。

対象は脱炭素・GX・ESG開示・循環経済(サーキュラーエコノミー)領域の職種。年収は当社取扱求人の実勢と厚労省jobtagの職業情報を独自補正した転職想定レンジ(経験・地域で変動)。

10ROLES

主要10職種の図鑑

GHG算定・排出量管理担当のキャラクターイラスト

GHG EMISSIONS ANALYSTGHG算定・排出量管理担当

450–850万円 目安

Scope1・2・3の排出量をカテゴリごとに集計し、削減と開示の土台を作る役。ここが崩れると開示も削減も砂上の楼閣になる。日常は他部署への催促と、Excelの突き合わせと、定義のすり合わせの連続だ。

入り方
経理・調達・生産管理でデータを扱ってきた几帳面さが武器。GHGプロトコルの15カテゴリを一つずつ拾う地味な仕事から入るのが最短ルート。
市場感
面接で問われるのは環境への愛の深さでなく「範囲・基準年・単位」の三点セットで数字を語れるか。根拠のない数字は開示事故に直結する。
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • Scope1(自社直接排出)・Scope2(購入電力)の月次集計とデータ源の突合
  • Scope3(サプライチェーン排出)15カテゴリの購買・物流・出張データからの算定
  • 算定ロジックのExcel/専用ツール構築と第三者保証への準備
  • 各部署への数値照会と定義のすり合わせ(実務時間の大半を占める)

面接で評価される経験

  • 複数部署のバラバラな数字を仕組みとして回した経験
  • 算定範囲・基準年を明示して成果を単位付きで語れること

向いている人

地味な突き合わせ作業を厭わず、正確さに誇りを持てる人。

次の一歩 esg-kaijigx-suishinsuishin-henkaku
ESG開示・IR担当のキャラクターイラスト

ESG DISCLOSURE & IR SPECIALISTESG開示・IR担当

650–1300万円 目安

有価証券報告書のサステナ欄や統合報告書を、財務と同じ厳密さで書く役。間違えれば会社の信用と法的リスクに直結する。日常は経理・IR・工場の間を走り回り、数字の整合を取り続ける。

入り方
銀行・証券・事業会社のIRや経理出身者が最短距離。開示・監査・投資家対応の作法はそのまま持ち込める。
市場感
面接で見られるのは財務・現場・制度の三言語をまたいだ本数。一言語だけの人材は頭打ちになりやすく、二言語以上から急に値が跳ねる。
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • 有報サステナ欄・統合報告書の企画と執筆
  • ESG評価機関からのアンケート回答と投資家対話(エンゲージメント)
  • SSBJ/ISSB基準に沿ったギャップ分析と開示体制の整備
  • マテリアリティ特定ワークショップの運営

面接で評価される経験

  • 有報や統合報告書のサステナパートを主担当として仕上げた経験
  • 監査法人・第三者保証を前提にした数字作りの経験

向いている人

財務の言語と現場の言語、どちらも粘り強く聞き取れる人。

次の一歩 gx-suishinsuishin-henkaku
GX推進マネージャーのキャラクターイラスト

GX PROGRAM MANAGERGX推進マネージャー

700–1400万円 目安

全社の脱炭素戦略を描き、はかる・つくる・うごかすの各持ち場を一つの方向に束ねる役。専門知識より、利害の違う部署を動かした経験の方が効く。日常は部門横断の会議調整と、抵抗する現場の説得だ。

入り方
事業企画・PMO・全社プロジェクトのリード経験者が入りやすい。コンサル出身者は「きれいな絵だけ」にならず現場に降ろす実行力が問われる。
市場感
面接で聞かれるのは反対する事業部門をどう説得したか。正論で押すのでなく、相手の損得に翻訳して合意を作れるかが分かれ目になる。
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • GX戦略ロードマップの策定と経営会議への上程
  • 各事業部への削減目標の落とし込みと進捗管理
  • 再エネ調達・省エネ投資など個別施策の意思決定支援
  • 社外(取引先・行政・業界団体)との調整窓口

面接で評価される経験

  • 部門横断プロジェクトを実際に前進させた経験
  • 反対部門を損得の言葉で説得し合意形成した経験

向いている人

きれいな戦略で満足せず、現場に自分の足で降りていける人。

次の一歩 suishin-henkakusustaina-jigyo-kaihatsu
再エネ調達・カーボン取引担当のキャラクターイラスト

RENEWABLE ENERGY & CARBON TRADING SPECIALIST再エネ調達・カーボン取引担当

600–1200万円 目安

再エネ電力のPPA調達や排出量取引を実務として回す役。「はかる」の次に来る「買う・売る」の椅子で、契約と市場の両方が分かる人材は少ない。日常は契約書のレビューと、電力・証書市場の価格チェックだ。

入り方
電力・エネルギー業界出身者に加え、財務・調達出身者も契約実務の延長として入れる。
市場感
面接ではPPAや排出量取引の仕組みをどこまで自分の言葉で説明できるかが見られる。制度は毎年変わるため、一次情報に当たる姿勢も問われる。
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • 再エネ電力のPPA(電力購入契約)交渉と契約管理
  • 非化石証書・排出量取引の売買実務
  • 電力・証書市場の価格動向モニタリング
  • 調達計画と削減目標の整合チェック

面接で評価される経験

  • エネルギー契約または金融商品の交渉・実行経験
  • 制度変更を自分で追いキャッチアップし続けた経験

向いている人

契約書の細部を丁寧に詰められ、市場の数字にも臆さない人。

次の一歩 gx-suishinesg-kaiji
サステナビリティ推進・全社変革リードのキャラクターイラスト

SUSTAINABILITY TRANSFORMATION LEADサステナビリティ推進・全社変革リード

500–1100万円 目安

大企業のサステナ推進部で、部門横断のプロジェクトを回す役。自分の手で工場の設備は変えられず、動かすのは常に他部署。日常は経営会議資料の作成と、現場からの「コストが増えるだけだ」への回答だ。

入り方
「志だけ」で飛び込むと年収は下がりやすい。前職の財務・法務・人事・営業のどれかを「橋」として持ち込むと下げ止まる。
市場感
面接で見られるのは正論で押すのでなく相手の損得に翻訳して合意を作れるか。ミッションへの共感は入場券にすぎず、それ自体には値段がつかない。
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • 全社の削減目標・サステナ方針の各部門への落とし込み
  • 経営会議・取締役会向け進捗資料の作成
  • 現場からの抵抗(コスト増懸念等)への説明と合意形成
  • CSRレポート・社内啓発施策の企画運営

面接で評価される経験

  • 前職の専門技能(財務・法務・人事・営業)を橋として持ち込めること
  • 反対意見を翻訳して合意に持ち込んだ具体的な場面

向いている人

権限が小さくても、粘り強く周囲を巻き込める人。

次の一歩 gx-suishinsustaina-jigyo-kaihatsu
サステナビリティベンチャー事業開発のキャラクターイラスト

CLIMATE-TECH BUSINESS DEVELOPERサステナビリティベンチャー事業開発

450–900万円 目安

開示も営業も採用も一人で見る、若い会社の何でも屋。現金の月給は下がりやすく、代わりに裁量とストックオプションが乗る。日常は資料作りと商談と採用面接同席が同じ日に並ぶ。

入り方
大企業で「決まったルールを運用してきた」人よりも、ルールを「作る」側に回れる人が向く。与信管理・契約審査・大口顧客折衝の経験は喉から手が出るほど欲しがられる。
市場感
面接で問われるのは看板なしでミッションと熱量だけで売れるか。「成長市場だから」で止めず、脱炭素という対象への自分なりの理由を語れるかが差になる。
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • プロダクト・サービスの営業(実績のない製品を熱量で売る)
  • 組織運用の仕組み作り(与信管理・オンボーディング設計等)
  • 調達フェーズに応じた採用・広報の手伝い
  • 経営陣直下での事業計画の実行

面接で評価される経験

  • ルールのないところにルールを作った経験
  • 現金の下げ幅とSOの期待値を切り分けて説明できる金銭感覚

向いている人

役割の線引きを厳密にしたい人には向かない。広く手を抜けない働き方を楽しめる人向き。

次の一歩 gx-suishinreuse-jigyo-kaihatsu
静脈産業DX担当のキャラクターイラスト

REVERSE LOGISTICS DX SPECIALIST静脈産業DX担当

500–950万円 目安

回収・選別・リサイクルの現場を、データで作り替える役。何が・いつ・どこから・どれだけ戻るかが分からないと、静脈産業は在庫も設備も読めない。日常はトレーサビリティシステムの要件定義と、現場との仕様すり合わせだ。

入り方
SIerや事業会社の情シス出身者が最も重宝される持ち場。循環経済の中で「一番人が足りていない」と言われる領域。
市場感
面接では現場の回収・選別オペレーションをどこまで理解しているかが問われる。ITスキルだけでは「現場を知らないシステム屋」に見られてしまう。
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • 回収・選別ラインへのトレーサビリティシステム導入
  • 回収ルートの最適化とAIカメラによる素材自動判別の実装
  • 現場スタッフとの仕様すり合わせと運用定着
  • 回収データの分析と在庫・設備計画への反映

面接で評価される経験

  • SIerや情シスでのシステム導入・要件定義経験
  • 現場に足を運び、実オペレーションを理解した上での設計経験

向いている人

オフィスだけでなく、処理現場に自分から出向ける人。

次の一歩 eco-designreuse-jigyo-kaihatsu
エコデザイン・製品企画のキャラクターイラスト

ECO-DESIGN PRODUCT PLANNERエコデザイン・製品企画

500–900万円 目安

設計段階で分解しやすく、素材を混ぜず、長く使える製品に作り替える役。循環を前提に判断軸を入れ替えるのが仕事で、メーカーのプロダクト経験がそのまま接続する。日常は購買・生産技術との素材選定のすり合わせだ。

入り方
設計者・商品企画・購買出身者が入りやすい。前職の製品知識をそのまま持ち込める数少ない持ち場。
市場感
面接では「修理できる・部品交換できる・素材を1種類にそろえる」といった具体の設計判断を語れるかが問われる。理念だけでは製品の話にならない。
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • 分解・修理・部品交換を前提とした製品設計
  • 素材選定における単一素材化・易分解性の検討
  • 購買・生産技術部門との素材コスト・調達のすり合わせ
  • LCA(ライフサイクルアセスメント)による環境負荷の設計評価

面接で評価される経験

  • 製品設計または商品企画での実務経験
  • 素材・調達側の制約を理解した上での設計判断の経験

向いている人

理念より先に、図面と部品表で語れる人。

次の一歩 jomyaku-dxreuse-jigyo-kaihatsu
リユース・シェアリング事業開発のキャラクターイラスト

REUSE & CIRCULAR BUSINESS DEVELOPERリユース・シェアリング事業開発

450–850万円 目安

新品を作らず、中古品の買取・再販やリファービッシュで回す事業を作る役。問われるのは廃棄物の知識より「使い終わったモノにもう一度値段をつける」商売のセンス。日常は仕入れ判断と再販価格の値付けだ。

入り方
前職が小売・EC・商社という人が入りやすい持ち場。事業開発・マーケの経験がそのまま活きる。
市場感
面接では業界未経験でも事業を回せるかという不安を、具体で消せるかが見られる。志の高さより実務の解像度が問われる。
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • 中古品の買取・査定基準の設計と価格戦略
  • リファービッシュ(修理・再生)のオペレーション構築
  • サブスクリプション・シェアリングモデルの事業設計
  • ECチャネルでの再販マーケティング

面接で評価される経験

  • 小売・EC・商社での事業開発またはMD経験
  • 中古・再生品の値付けや在庫回転を考えた実務経験

向いている人

モノの二度目の値段づけに面白さを感じられる人。

次の一歩 jomyaku-dxsustaina-jigyo-kaihatsu
EPR・環境法規制対応のキャラクターイラスト

EPR & ENVIRONMENTAL COMPLIANCE SPECIALISTEPR・環境法規制対応

550–1000万円 目安

拡大生産者責任(EPR)や各種リサイクル法への対応を仕組みとして設計する役。法規制が動くたびに新しく生まれる専門職で、静かに、しかし着実に増えている。日常は法改正のウォッチと、回収スキームの構築だ。

入り方
法務・渉外・サステナビリティ推進の経験者が入りやすい。行政・業界団体との調整経験があると強い。
市場感
面接では知らない制度が出てきたとき一次情報に当たれるかが見られる。「勉強します」で止めず、誰に聞けば正解にたどり着けるかを示せる人が信用される。
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • EU規制・国内リサイクル法への対応方針の立案
  • 回収スキームの設計と業界団体・行政との調整
  • 法改正の継続的なウォッチと社内への影響分析
  • 取引先からのCO2データ提出要請などへの対応窓口

面接で評価される経験

  • 法務・渉外での行政・業界団体対応経験
  • 制度変更を先読みして社内体制を整えた経験

向いている人

地味な条文読みと、粘り強い外部調整を両方こなせる人。

次の一歩 esg-kaijigx-suishin

この地図の登り方 — 王道は3本

現場翻訳の道GHG算定・排出量管理担当GX推進マネージャー事業会社サステナビリティ責任者
開示・金融の道ESG開示・IR担当ESG投資家対応リードサステナビリティ・ファイナンス責任者
循環経済の道静脈産業DX担当リユース・シェアリング事業開発循環経済事業責任者

どの道も、いきなりベンチャーの事業責任者やCxO層から始めようとすると、面接で必ず聞かれる「その手前は何をしていたか」に詰まる。まずははかる・つなぐのどちらかで足場を作り、財務・現場・制度をまたぐ「翻訳距離」を伸ばしてから次の椅子へ動く。焦って一段飛ばすと、面接の三点測量(実装・計測・推進)のどこかで必ず崩れます。自分がどの持ち場から入れるかは、適性診断で確かめてみてください。

地図の上の、あなたの現在地を確かめる。

約4分の適性診断で、あなたが現実的に狙える進路タイプと、次に読むべき記事が分かります。

適性診断を受ける → 記事から読む

仕事のモヤモヤ、AIに話してみませんか

やりがいと現実のあいだの迷いを、そのまま話して構いません。
「キャリアのたね」は、対話しながら引っかかりを整理して、あなたの強みを言葉にしていくサービスです。

話しはじめてみる(無料)

登録不要・無料。求人の紹介から始めることはしません。運営:ポテンシャライト